2-1)「原稿用紙」の使い方

 皆さんは、小学校や中学校の国語の時間に作文を書いたり、夏休みの宿題として課題図書が与えられて、読書感想文を書いたりした経験があるはずです。その時に、作文の書き方として、原稿用紙の使い方を教えられたと思います。たとえば、作文を書くときには次のことを守るように指導されたはずです。

 ・作文の題名は上から2~3マスあける。
 ・氏名は姓と名の間を1マスあける。
 ・段落の1行目は1マスあけてから書き始める。
 ・句読点は文字と同じように、1マスに1つ書く。ただし、句読点が行の1番上にきてしまうときは、前の行の最後に文字と一緒に1マスの中に書く。
 ・会話文はカギ括弧(「」)で囲み、会話文の終わりの句点「。」はカギ括弧と同じマスの中に書く。

 これらのいくつかは、「論文」を執筆するときにも適用されます。たとえば、段落1行目の行頭は全角で1文字分を字下げしたり、句読点は1字分として計算されたりします。会話文をカギ括弧で囲むのは、それが引用にあたるからであり、これは「論文」においてはとても重要な意味を持ちます。

 また、手書きの原稿用紙の判型(用紙の大きさ)はB4版で、1行あたり20字で1枚20行の400字詰めの用紙が一般的に使われていたはずです。判型や20字×20行=400字というのも「形式」の1つで、用紙1頁あたりの行数×1行当たりの文字数、上下左右の余白の長さ、入力文字のサイズや書体などを「書式」といいます。この書式はあらかじめ指定されることが多く、この書式を守らないだけで「論文」やレポートの投稿や提出が認められないこともあります。

 以上のように、すでに小学校や中学校などで教えられたきた「原稿用紙の使い方」をさらに厳密にしたものが「論文の書き方」となります。