2.「論文」を執筆する上でのルールやマナー 

 論文は、自分の意見や主張を自由に書けばよいという文章ではありません。また、調べたことを書き並べるだけの文章でもありません。自分が設定した論文の「目的(問い)」に対して、先行研究や資料、調査結果などにもとづき、根拠を示しながら論理的に考察して、「結論(答え)」を導き出していく文章です。そのため、論文を書く際には、内容の独自性や説得力だけでなく、一定の形式や表記のルール、引用のしかた、出典の示し方、文章表現のあり方などにも注意する必要があります。

 こうしたルールやマナーは、単なる「決まりごと」ではありません。読み手が論文の構成を理解しやすくするため、他者の研究や文章を適切に扱うため、また、自分の主張と他者の見解とを明確に区別するために必要なものです。形式が整っていない論文は、内容がよくても読みにくくなり、場合によっては、根拠の不明確な文章や不適切な引用と受け取られてしまうこともあります。

 この章では、論文を執筆する際に必要となる基本的なルールやマナーについて説明します。まず、原稿用紙の使い方や論文全体の構成を確認したうえで、序論・本論・結論の役割、謝辞やあとがきの扱いについて整理します。続いて、引用と出典、参考文献の書き方、論文にふさわしい文章表現、執筆要領の読み方、具体的な表記方法などについて見ていきます。

 論文の形式や表記には、大学や研究科、学部や専攻、ゼミや指導教員、あるいは学会や投稿先などによって異なる指定がある場合があります。したがって、ここで説明する内容は、本研究室の基本的な考え方として理解し、実際に執筆する際には、必ず自分が論文を提出する先の執筆要領や指導教員の指示を確認するようにしてください。

 この章の構成は以下のとおりです。

2.「論文」を執筆する上でのルールやマナー
 1)「原稿用紙」の使い方
 2)「論文構成」について
  ①「論文」の全体構成について
  ②「序論」について
  ③「本論」について
  ④「結論」について
  ⑤「謝辞」と「あとがき」について
  〔コラム〕漢詩の形式と構成
3)「引用と出典と参考文献」について
4)「文章表現」について
5)「執筆要領」について
6)「具体的な表記方法」について
 6-1「引用」について
 6-2「出典表記」について
 6-3「参考文献(一覧)」について
 6-4「注」について